とりかへばや物語がすき

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氷室冴子 先生の平安朝小説

私が古典文学を読み始めたきっかけは、小学生の時に氷室冴子先生の「なんて素敵にジャパネスク」を読んだことでした。最初は平安時代の言葉や習慣が難しいなと思っていましたが、富田靖子さんが主演した実写版が面白くて、どんどん夢中になっていきました。

氷室先生の『ざ・ちぇんじ』は、小6か中1で読みました。峯村先生のイラストが大人風で、知的好奇心をくすぐられた記憶があります。男装する姉と女装する弟のやりとりがからっと明るくて、大変気に入りました。大学生になってからも、山内直実先生の漫画をヘビーリピートしていました。

●氷室冴子先生の小説版

原作の女性の扱いにびっくり

原作の『とりかへばや物語』そのものを読んだのは、大学生になってから。ざちぇんじみたいに明るく楽しい話を想像していたら、予想に反して、男装していた女君が苦悩する物語でした。

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とりかへばや物語(1) 春の巻 (講談社学術文庫)
桑原博史 講談社 1978-10-09
Amazon

男装していた女君が宰相中将の子供を妊娠してしまい、子供を出産。しかし、子どもを捨てる覚悟を決めて、宰相中将の元から逃走。最終的には入内して帝の妃になりましたが、『ざ・ちぇんじ』と違って、女君の人生に自由さがない。氷室先生は女性の主体性を描いていたのに、原作ではそれが許されていない。

女装していた弟の方は、男の姿に戻ってから好き放題に生きている感じ。二人のジェンダーが入れ替わったのも天狗の仕業だったので、当時の価値観と今のギャップを感じて考えてしまいました。

原作の方が退廃的なのですが、氷室版だと綺羅君には宝塚を見ているような煌びやかさ、中性さを感じます。

異装をしている二人が無事に入れ替わり、秘密を守り切れるのかというモチーフは同じ。なのに、書きての解釈、描き方によって物語のメッセージが変わっていたのが面白かったです。読み比べって楽しいですね。

とりかへばや物語 補足情報 2014/11/01

さいとうちほ先生が『とりかへばや物語』を題材にした漫画を書かれています。イラストが美しくて、Amazonのレビューも高評価でした。
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とりかえ・ばや 1 (フラワーコミックスアルファ)
さいとう ちほ 小学館 2013-03-08
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氷室冴子先生の『ざ・ちぇんじ』は、2012年8月に発売された『月の輝く夜に』に前後編合わせて収録されています。今市子先生のイラストが大変美しいです。

惜しいのは『ざ・ちぇんじ』のイラストがなくなってしまったこと。復刊時に峯村先生のイラストを削除してしまうのであれば、『月の輝く夜に』のイラストを描かれた今先生に、『ざ・ちぇんじ』のイラストも描いていただければよかったのに・・・。

峯村先生も今先生もイラスト素敵なイラストを書かれているので、その点だけ残念でした。

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