【お知らせ】〈運読〉で楽しむ『源氏物語』 ーー視覚障害者が古典文学を味わう三つの方法ーー

主催者様から「〈運読〉で楽しむ『源氏物語』 ーー視覚障害者が古典文学を味わう三つの方法ーー」のお知らせをいただきました。国文学研究資料館の伊藤鉄也先生を講師に迎えて、視覚障害者が古典文学を味わう三つの方法(聴読・触読・運読)について学ぶことができる講演会だそうです。

『源氏物語』を視覚障害者はどのように読書し、作品を味わっているのか、というテーマは非常におもしろい視点と感じました。主催者さまから「本メールの転送・転載を歓迎いたします。」とご連絡をいただきましたので、ご紹介させていただきますね。

「4しょく会」秋のイベント 〈運読〉で楽しむ『源氏物語』
ーー視覚障害者が古典文学を味わう三つの方法ーー

源氏は奥深い。源氏は難しい。源氏はすばらしい。

いうまでもなく、『源氏物語』は千年以上も読み継がれている日本文学の最高傑作です。高校時代の古文の授業で源氏の読解に悩まされた人、漫画や現代語訳版で荘厳な王朝文学の雰囲気に親しんだ方も多いのではないでしょうか。さまざまな関連書籍が視覚障害者用に点訳・音訳されている事実は、『源氏物語』の人気を示しています。

奥深いから難しい。難しいからすばらしい。目で『源氏物語』を読んできた見常者に対し、視覚障害者は「聴読」(耳で読む=録音図書)と「触読」(指で読む=点字図書)という方法で、源氏の世界にアプローチしてきました。そもそも『源氏物語』は、平安朝の女房たちの朗読によって楽しまれていたといわれています。

紙が貴重で、印刷技術が未発達な時代、音読は物語を広める手段として有効でした。聴読は和語の優しい響き、流麗な文章のリズムを耳で感じる「古くて新しい読書法」といえるでしょう。一方、触読は行きつ戻りつしながら、指で単語を一つずつ読み進めていく作業です。もともと仮名で書かれた『源氏物語』。それを点字で読み解いていく触読は、古典解釈の王道なのかもしれません。

聴読と触読は視覚障害者にとって伝統的な読書法だと定義できますが、じつはその背後には見常者にも共通する「行間を読む」文化があることは重要です。今回の「4しょく会」イベントでは、視覚障害者発の第三の読書法として「運読」(体で読む=立体コピー)を提案します。

紫式部の『源氏物語』は、筆で紙に書かれました。そして、その物語は写本という形で、多数の人々によって書き写されます。物語を書いた作者、それを筆写した老若男女の思いや息遣いを実感するためには、写本そのものを立体コピーし、指で文字をなぞる身体運動が必要です。

墨で書かれた線を指先で辿る行為は、写本作りの追体験ともいえます。千年以上もの間、先人たちの手から手へと伝えられてきた『源氏物語』。その運筆(筆の使い方)の妙味を体感するのが運読なのです。

本イベントでは、『源氏物語』研究の第一人者である国文学研究資料館の伊藤鉄也先生に、「運読」の魅力と可能性についてお話していただきます。『源氏物語』の情景を想像しつつ、写本の立体コピーをみんなで解読してみましょう。運読をより効果的なものにするために、今回は実際に『源氏物語』の舞台となった宇治に足を運ぶ予定です。

源氏物語ミュージアムで物語成立の歴史を学び、宇治観光ボランティアガイドクラブのご協力をいただき、宇治市内のまちあるきも楽しみます。世界遺産・宇治上神社の「さわる模型」などが、僕たちの五感を刺激し、まちあるきを盛り上げてくれるはずです。

聴読・触読に加え、運読というユニークな鑑賞法を獲得すれば、視覚障害者にとって古典文学は身近で豊かなものになるでしょう。さらに、運読をユニバーサルな読書方法として、「4しょく会」から多くの見常者に届けていければと願います。

日時 2015年12月5日(土)13:00~17:00
主催 視覚障害者文化を育てる会(4しょく会)
協力 宇治市源氏物語ミュージアム
宇治観光ボランティアガイドクラブ
参加費 会員および学生500円、非会員700円
定員 50名(要予約、先着順)

「日程」
12:40 JR宇治駅の改札口を出た所に集合(班分け、参加費徴収)
13:00~13:40 宇治市内のまちあるき(源氏物語ミュージアムへ)
13:40~14:40 源氏物語ミュージアム見学(聴学)
14:40~15:00 世界遺産・宇治上神社周辺の散策
15:00~15:30 宇治上神社から宇治市観光協会へ移動
15:30~16:30 講演とワークショップ「源氏写本研究の魅力と可能性」(伊藤
鉄也氏)
16:30~17:00 意見交換

※当日、京都駅からJR奈良線を利用される方は、12:04発の快速、または12:07
発の普通電車にご乗車ください。
※当日は動きやすい服装でお越しください。雨天の場合は、室内での体験を中
心とするなど、無理のない形でイベントを実施します。
※ミュージアム入館時に身障者割引が適用されますので、手帳保持者はご持参
ください。
※イベント終了後、京都駅周辺で懇親会を行いますので、希望者はご参加くだ
さい(会費4000円程度)。
イベント参加申し込みは、11月27日までに電話かメールで以下にお願いしま
す。定員に達し次第、受け付けを終了しますので、あらかじめご了承ください
(なお、申し込み先のメールアドレスは従来と異なります)。
電話 080-2527-9383(佐木理人、平日の21:00~23:00、または日曜の10:00~23:
00)
メール hirose@idc.minpaku.ac.jp広瀬浩二郎)
※参加申し込みに際して、「かならず」以下の4点についてお知らせください。
1. お名前・ふりがな(フルネームで)
2. 電話番号またはメールアドレス(イベント関係の必要事項の連絡に利用いた
します)
3. 視覚障害の有無・程度(班分け時の参考とするので、全盲・弱視・晴眼など、
差し支えのない範囲でお書きください)
4. 懇親会の出欠(当日の変更は原則としてお受けできません)

管理人からの補足

十二単の女性

『源氏物語』で中の君と浮舟が絵物語を読んでいる場面を思い起こせば、物語は女房がお姫様に読み聞かせをしていた姿が思い浮かびます。聴読・触読はわかったのですが、運読はどのような読み方なのでしょうか。主催者様によると、「運筆(筆の使い方)の妙味を体感するのが運読なのです。」とのこと。気になります。

「晩秋の京都・宇治のまちあるきも楽しみます。」とのこと。景色も楽しめて、楽しいイベントになりそうですね。

お詫び

イベント紹介を公開した後に気がつきました。参加申し込みの締め切りは「11月27日までに電話かメールで以下にお願いします。」と書かれていました。大変失礼をいたしました。このようなイベントがこれから行われるという紹介として受け止めていただけましたら幸いです。よろしくお願いいたします。